■2024年4月開催
■おもしろ同人誌バザール@秋葉原
■会場限定有料パンフレット掲載
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おもバザっ子必読!
店長・竹田&事務局長・臼井の
おもバザトーク
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●これまでの「おもバザ」回顧
竹田:はじめてから何年なんでしたっけ。今 8年目?
臼井: 2016年6月が第 1回なので、そろそろまる 8年。
竹田:池袋の小さな会場から始まって……。出展者数が 30いくつ、でしたね。ブースが足りなくて、ムリヤリ入れた覚えがある。
臼井:「半スペース」という必殺技を使ってね。とりあえず全員詰め込んだという。
竹田:その後、六本木でも申込が多かったので急遽会場を広げましたけど、基本コンセプトのひとつとして「出たい人はみんな出られるように」というのを掲げていましたからね。でも、もう大崎(※コミケ連動のスピンオフイベント)含めて「全員出られる」は無理かな、というところには来ちゃったかな。
臼井:いずれにしても約 8年、ようやくここまで来たなと。
竹田:そうですね。やっぱり秋葉原、特にベルサールの周辺は同人誌のお店が多いじゃじゃないですか。本当の意味で「同人誌のど真ん中」だと思うんですよね。ここでおもしろ同人誌バザールを“入場無料で”やるのをひとつのマイルストーンにしていましたから。
臼井:(対談収録時点では)開催前なので何も達成はしていないんだけど、ここまでやりきったという感覚はあるかな。
竹田:どうしてもここで入場無料イベントをやりたい、という一方で、苦渋の決断もしなければなりませんでした。それが、出展料1万円。コミケより出展料金が高いのはありえない、という足枷がある中で、それをひとつ乗り越えられたというのも大きいなと。同人誌業界における「コミケスタンダード」は、いいところは守っていけばいいかもしれないけど、必ずしもそれが絶対ではない。そこは我々の自信のひとつでしたが、今回、出展料 1万円というありえないぐらいの金額でこれだけ参加していただけた、というのはひとつのブレークスルーだろうと思います。
臼井:料金が上がれば参加しづらくなる、というのは当然こちらも分かっていたので。その中で、出展者の皆さんも、今回は合同で申し込まれるとか、工夫されているのを見て、ああ、こちらの意をくんでもらっているのかなと感じました。コミケ云々でいうと、情報系同人誌を出す場所がコミケ以外にはあまりない、しかも、コミケは当落で活動の方向性まで左右されちゃう、そこにおもバザの存在意義もあるだろうということで始めた部分もあるから、コミケと違っていてもいいじゃない、というのはおもバザの根本にあるんですよね。
竹田:だからこそ「全員参加」っていうのを目標にやってきたんだけど、それが厳しくなってきているのが嬉しくもあり、辛くもあり、どうしようかなっていうのが悩むところです。
臼井:今回皆さんから募集した中に、全部回りきれるちょうど良いサイズのイベント、みたいなコメントが結構あったじゃないですか。その辺も善し悪しで、主催者としては大きくすることで可能性が広がるんですが、参加者の皆さんにとっては、これ以上大きくなっても……みたいなところがあるという。
竹田:大きくすること自体が目的ではないんですよ。ただ、大きくできればそれだけさらに多様性が出る。多様性は、おもしろ同人誌バザールの魅力のひとつだと思うから、そこを広げるためには、もうちょっと大きい会場に行きたいなという気もするけど……。いずれにせよ、規模によるメリット、デメリットは考えていかなきゃならないと思います。今くらいの規模感だからこそ、ランダム配置でも全部回れるという意味があるので。
●おもバザのターニングポイント
臼井:ところで、約 8年の中でターニングポイントになったのはどこだと思いますか?
竹田:私は、神保町の全館開催。会場の建物が分かれて
いるなんてありえない、と散々言われたけれど、結果として成功した。もちろん、いまだに天候に左右されるというリスクはありますが。
臼井:おもバザは、毎度「ありえない」って言われ続けているので。初回からそうだし、大崎もそうだし。「コミケと同じ日にやっても誰も来ませんよ?」とかわざわざ DM寄越してきた人もいた(笑)。
竹田:毎度ありえないって言われてるのは、確かにそうだね。
臼井:あとは、六本木も大きかったと思います。
竹田:六本木もそうですね。申込具合をみて会場を拡大して……。埋めるのは大変でしたが。会場代も大幅に高くなるので、リスキーでしたけれども、決断してよかった。たしか、ランダム配置も六本木がはじめてだったはずだし、
六本木で今に続く「おもバザの特徴」みたいなのができた気がする。
臼井:たしかに。それまでは他のイベント同様にジャンルごとに固めて配置してたもんね。
あと、六本木のときはファミリーがめちゃめちゃ来て。急遽ベビーカー預かりをしたり、カップルがふらっと入ってきたりとか。あれは私の中でカルチャーショックというか、こういう人もブラッと来てくれるんだっていうのはすごい
発見だったかな。
●今後の「おもバザ」はどうなる?
竹田:これから先のおもバザをどうしていくかは、正直、本当にわからない。今回、ある意味ひとつのゴールに来たかなと感じていて、ここまでは最高のイベントを作ってきているという自負もあります。この先はもう本当にいろんな選択肢が考えられるから、そこはちょっと一回立ち止まって考えたいなって思います。
臼井:私は、 10周年までは続けようかな、ということくらいは考えているかな。
竹田:みんな誤解しているかもしれないんですが、我々は一般的な同人誌即売会をやるために活動しているんじゃなくて「おもしろ同人誌バザール」というメディアを作るつもりで動いているんですよね。
臼井:会場に集まる、お祭り的なイベントも楽しいし意義もあるんだけど、それが第一義ではないという。おもバザ的なものをみんなで面白がって、触れてもらえる環境を作るということですからね。
竹田:私は「おもバザ」のイベントそれ自体が価値の高いコンテンツだと思っています。入場料 1000円払って入っても、あれだけ面白い本、それを作る面白い人たちがいる、見て回るだけでも刺激を受ける楽しい空間なわけですから。せっかくこれだけ面白いものが集まっているので、紙の本以外でもそういったものを紹介して苦のもひとつの手でしょう。イベントという形にこだわらず、展開していきたい。
臼井:常識にとらわれず、柔軟に考えてチャレンジしていきたいよね。
竹田:我々がいつも意識をしているのは、いわゆるエンドユーザーといわれる人たちのこと。なので、出展者の皆さんをお客さん扱いはしない。音楽のライブとかでいうなら、出演者側ですからね。そこはずっと言ってきたし、今後も多分変わらないと思う。
臼井:俺らはあくまでね、ステージ整えているだけだから。出展している皆さん一人一人がそういう意識を持ってほしい。あなたもおもバザの重要なピースなんですよ、と。
竹田:そう、おもバザの「多様性」を構成してるんです。まさにダイバーシティ。その意味では、時流にマッチしているともいえる。だから、今後もっとニーズが増えると思います。もうひとつ伝えたいのは、即売会を運営するのが一義じゃないとは言ったけれども「売れる」ということには絶対こだわっていきたい。それはもうずっと言い続けていることですが。売れる=注目を浴びる、ということだから。
臼井:本ならば「読まれる」。いろんな人が集まる、読者もできる、友達もできる。同人界隈だととかく「売れる」という言葉に対して妙な反感というか、過剰反応する人も多いけれど……。
竹田:でも、おもバザでは、だいぶなくなったんじゃないですか。そういう反応。売れれば何をやってもいい、ということではないし、ある程度マナーは守らなきゃいけないけど、売れるは正義ですよね。
臼井:そんなわけで、今後何をするかは決まっていませんが、おもバザらしくやっていけたらなと。
竹田:我々の考えはもちろんなんだけど、ずっと出展してくださっている方、いつも来場される方の思いも聞きながら、進めていきたいですね。これからもいっしょにやりましょう!
(おわり)